スクラムフェス金沢2024のスポンサー参加レポート

本記事について

エンジニアの南部スクラムフェス金沢に参加したレポートです。

セッション以外の内容も記載しています。

セッションについては印象に残ったものをピックアップして取り上げさせていただきます。

スクラムフェスとは

言わずとしれたアジャイルコミュニティの祭典。

主に以下の都市で開催されています。

スクラムフェス金沢は今回が初の開催でした。

2024/1/1に発生した能登半島地震の復興支援も兼ねて開催が決まったそうです。

今回ログラスではロゴスポンサーも実施しており、スポンサーチケットを利用して参加してきました。

個人的な目標

  • セッションをしていただいた方とできるだけお話する
  • 認知してもらうために、最近作ったXのアカウントを交換する
    • フォロワー100人を目指す

1日目

11時半頃東京駅を出発し、14時半頃到着しました。

偶然、一緒に参加予定のログラスQA大平さんが隣の隣の席でした。

おもむろに現地でノベルティとしてお渡しする大平アクリルスタンドを渡されました。

到着後、駅にお店がたくさんあり、せっかくなのでお寿司を食べました。

 

ホテルにチェックインを済ませ、オープニングに向かいます。

金沢駅から30分弱くらいで会場には到着。

運営の方が詳細なアクセスをまとめていたりしてくれていて、とても助かりました。

Keynote

こういったイベントが初めてだったのでそもそもKeynoteというものを知りませんでした。

日本語でいうと基調講演、スクラムフェス金沢のテーマやセッションの根底にあるメッセージを参加者に届けるものになります。

第一回の記念すべきスピーカーは、北國銀行執行役員システム部長兼、株式会社デジタルバリュー代表取締役の岩間さんでした。

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20228/it

短編小説のような形式でした。

もともとはアジャイルに関しては解像度が高くなく、「トレードオフスライダーで全てが優先度Maxと言っていた」というエピソードもありました。

印象的だったのは、そこからアジャイルという文化を銀行に広めるための動きです。

子会社として株式会社デジタルバリューを立ち上げ、その中でアジャイル文化を作り、それを銀行全体に広げていくような動きをされており、とても素晴らしいと感じました。

また、スクラムフェス金沢開催のトリガーの1つともなった1月1日の震災の後の動きの話などは生々しく、衝撃的でした。

震災が発生して10分後にはTeamsで対策が検討され、1月4日の営業開始を迎えたとのことでした。(もちろん、閉鎖の店舗もあったそうですが)

そういったアジリティの高い動きができる点にも感銘を受けました。

ネットワーキング

いわゆる懇親会です。

さまざまなイベントに参加されていて界隈では有名な方など、いろいろな人と話すことができました。

皆さん、スクラムを根底にしていながら、採用などいろんなことをやられていて刺激を受けました。

ログラスとしては、開発生産性カンファレンスでの弊社VPoEの登壇の影響もあり、直近でログラスが取り組んでいるFASTというスケーリングフレームワークへの取り組みを知ってくれている方もいらっしゃってありがたい限りでした。

2日目

Leanerこくぼさんのセッション

ログラスとフェーズも近く、勝手ながら親近感を感じるLeanerさんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20242

speakerdeck.com

スライドに関連して、登壇内容に関連する記載のある記事もありました。

 

役割というものを設けておらず、あくまで役割とは個人のスキルのグラデーションであるという考え方だそうです。

あくまで解くべき課題に注力するために全てがあり、わかりやすいからといって単純にフレームワークを当てはめるといったことはするべきではないという内容でした。

たしかに、スクラムなどのフレームワークは手段であるはずなのに、導入が目的化しがちだよなあと共感しました。

ログラス飯田のセッション

speakerdeck.com

 

ログラスがスクラムの概念にはない「マネージャー」をなぜ置いていて、そのロールの中で何を重視して動いてきているのかが感じ取れる内容でした。

組織設計も1つの偶有的複雑性という考えには私も納得しました。

ログラスの考える偶有的複雑性に関してはこちらの記事に詳しく記載があります。

 

また、とある事情により私も短い時間ですがLTさせていただき、上述のFASTというフレームワークに挑戦している旨をお話させていただきました。

Leanerさんとログラスのアプローチの違い

それぞれの話を聞き、本質的に目指す先は共通点があり、どちらもプロダクトを通じて顧客の課題を解決しようとしていると感じました。

しかし、以下のような真逆のアプローチをしている点は興味深かったです。

  • Leaner:役割を置かない
  • ログラス:組織設計はマネージャーがリードする

こくぼさんとは少しお話しさせていただき、現状のフェーズだとそうなっているというお話だったので、今後の動きにも注目していきたいです。

DMM内藤さんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/19975

speakerdeck.com

 

自分が改善したいと思っている部分に刺さる内容でした。

1聞かれただけなのに、ついつい4,5くらい答えちゃったことありませんか? 私はあります。めっちゃあります。

この出だしで心をつかまれました。

内藤さんの話し方がすごく優しく、また発表内容を加味した発表になっていて説得力がありました。

内藤さんとも実際にお話しさせていただき、自分も相手の許容量を意識してコミュニケーションをしていこうと決意しました。

デジタルバリュー加藤さんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20079

驚くほどの自己開示があるセッションでした。

加藤さんがスクラムマスターになってうまくいかずに伸び悩んでいた時期から、人文学を通して「善い人間」であることでそれを解決できるという考えを持って、同じ辛さを抱えている人の力になりたいという内容でした。

個人的には一番気持ちが乗ったセッションだと思っていて、心動かされました。

衝撃的な内容も含まれているのですが、それゆえに心動かされるものになっていますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

speakerdeck.com

SmartHR川村さんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20039

お手本のようにスクラムを導入して改善した話でした。

speakerdeck.com

なんとスクラムを導入してリリースは3倍になったとのことでした。

総当たり1on1や雑談時間を設けるなど、チームメンバーの関係性向上もされていたのが印象的でした。

また、イネーブリングチームにQAやデザイナーも所属しているということで、どのような運用がされているのか気になりました。(聞きそびれてしまった……)

 

私の前々職の同期が川村さんの知り合いであったり、ログラスで一緒に働いている方と川村さんの前職が一緒だったり、お話ししていて界隈の狭さを感じました。

OST

初めてオフラインでOSTを行いました。

慣れた方が初心者にも優しいテーマを出してくれたりした(自己紹介しましょうグループなど)ので、私も参加しやすくてありがたかったです。

テーマを設けて議論するという場は意外とないので、刺激的な経験になりました。

全体の感想

皆さんアジャイルの世界の人だけあって、変化に寛容な印象を受けました。

私のような初めての参加者も優しく受け入れてくれて大変ありがたかったです。

そしてセッション中も、Discordでコメントができて、ただ聞くだけではない状況なのが逆に話題に関心を持つ手助けとなっていました。

一方で、内容に一家言ある方も多く、強い主張をするのには勇気がいるような気もしました。

とはいえ、意見が食い違っていても、直接話してみると丁寧にいろいろと教えてくれたり議論してくれたりする方ばかりなので、オフラインで会話できる良さはこういう点だなとも感じました。

 

また、絶対にスクラムのことを話さなくてはいけないわけではない、というのは新たな気付きになりました。

アジャイルにまつわる話であればわりと何でも受け入れられていて、自分がプロポーザルを出す際のハードルが下がりました。

 

何より、住んでる世界は違えど、チームのアウトプット・生産性を最大化したいと真剣に考えている多くの仲間にめぐりあえて、お話しできる本当にいい機会でした。

 

アジャイル方面に興味がある方は確実に刺激を受けられる場だと感じました。

 

どこかで登壇するぞ!!!

余談:個人目標の達成度合い

岩間さんと加藤さんは時間の都合上ほとんどお話しできませんでしたが、多くの登壇者、参加者とお話しさせていただけました。

フォロワーはみなさんの協力もあり、100人いきました。ありがとうございました!

DDD×スクラムの真髄をログラス社で体験できる「本気の」 サマーインターン募集を開始!

初代となる「エンジニア25卒採用」は、本当に多数のご応募をいただきました。

昨年開始したエンジニア25卒採用ですが、とても素晴らしい方々に出会うことができ、無事定員となりました!
(が、実は1名限定で25卒の方を追加募集したいので、もしもご関心あればSNSなどでご連絡いただきたいです! CTO坂本  VPoE伊藤

そして、今年は1week サマーインターンやります!

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サマーインターンシップ概要

得られるもの

  • DDD(ドメイン駆動設計)の先駆者から学べる
  • ログラス最強エンジニアによる「本気の」技術FB
  • ハイレベルのスクラムを体験できる

日程

  1. 8月  5日(月) -   9日(金)
  2. 8月19日(月)- 23日(金)
  3. 9月  2日(月)-    6日(金)

※すべての日程で、交通費・宿泊費を全額支給します。

 

場所

ログラス社本社 東京都港区三田3-11-24 国際興業三田第2ビル9階

 

アクセス

都営地下鉄浅草線京浜急行電鉄泉岳寺駅」A4出口 徒歩1分
JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」徒歩7分

3年連続、“「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD」” に選ばれたログラス社で、DDD×スクラムを体験しませんか?

 

今年も、ログラス社は“「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD」”に選んでいただきました!

日本CTO協会 | エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD 2024」ランキング上位30を発表 | 一般社団法人日本CTO協会のプレスリリース

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出典:日本CTO協会 | エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD 2024」ランキング上位30を発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000081310.html

インターン概要

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DDDについて著名な松岡や、ログラスのトップエンジニアが皆さんに講義や、フィードバックします。

levtech.jp

出典:組織が拡大しても質の高いDDDを守れるか?ログラス松岡氏・村本氏に聞くDDD浸透の切り札(https://levtech.jp/media/article/interview/detail_304/

・GoldmanSachs
・NTT DATA
・Leverages
IBM
サイバーエージェント
サイボウズ
クラウドワークス
・VISIONAL
・freee
・LINEヤフー
ラク

上記出身のエンジニア陣が、皆様に一週間向き合います。

応募方法

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https://www.career-cloud.asia/26/form/entryb/select/d9e3a4850be4f8a83ffd2e05f9841b7a

こちらからもエントリー可能です!

ログラス26卒エンジニアインターンシップ選考 | 株式会社ログラスwww.career-cloud.asia
 

まずは、カジュアル面談しましょう。奮ってご応募ください!

Scrum Fest Kanazawa 2024に協賛および社員が登壇します

Scrum Fest Kanazawa 2024に協賛および社員が登壇します

Scrum Fest Kanazawa 2024とは

Scrum Fest Kanazawa 2024アジャイル開発・スクラムの実践者やこれから実践しようとしている人たちが金沢に集い、対話し、つながる、アジャイルコミュニティの祭典です。

今回が記念すべき第一回の開催ということでこの機会に立ち会えることをうれしく思っています。

ロゴスポンサーについて

ログラスでは創業時の2020年頃からスクラムを開始し、日々進化するプロダクト開発において、コミュニティの知見に助けられながらここまでやってくることができました。

スタートアップならではの実験的な取り組みや、そこから得られる学びなどを我々からも発信し、コミュニティへ還元していきたいと考え、ロゴスポンサーを継続的に実施しています。

直近ではプロダクトならびに組織拡大に伴い、FASTというスクラムではないスケーリングフレームワークの試行錯誤を開始しておりますが、スクラムの次に検討するスケーリングの一事例としてコミュニティでも積極的に情報発信、意見交換を行なっていきたいと考えています。

今回現地には、飯田(@ysk_118)、南部(@go_dev5)、大平(@oo4ra)が参加が参加いたします。

登壇者の紹介

今回ログラスからは飯田が登壇いたします。ぜひセッションに参加いただければと思います。

スタートアップにおける組織設計とスクラムの長期戦略 by @ysk_118

スタートアップにおける組織成長の過程においてマネージャーが何を考え、どう振る舞うべきなのか?についてこれまでの経験やログラスの事例を交えながらお話しいたします。

confengine.com

ぜひ、現地・オンラインで交流いただけましたら幸いです!

We Are Hiring!

ログラスではアジャイルな組織で一緒に価値あるプロダクトを作る仲間を募集しています。

hrmos.co

hrmos.co

hrmos.co

hrmos.co

【イベントレポート】日本CTO協会主催 「Developer eXperience AWARD 2024」ランキングで26位に選出されました!

こんにちは。ログラスでProductHRをしている佐藤です。

この記事は2024年7月16日に開催された、日本CTO協会主催、『 エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD 2024」』の表彰式についてのレポートです。

ログラスは今回、名だたる企業の中で26位として選出されました。
詳細については日本CTO協会様が発表したプレスリリースをご覧ください。

日本CTO協会「日本CTO協会 | エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD 2024」ランキング上位30を発表」2024年7月16日
https://cto-a.org/news/developer_experience_day_2024_release

昨年の25位から1つ順位を落としたものの、3年連続の受賞となりました。

イベント当日の様子

イベント当日はVPoE伊藤、ProductHR佐藤の2名で出席しました。

表彰式では日本CTO協会の理事を務める今村雅幸様より、盾をいただきました。

また、VPoE伊藤は受賞後のスピーチで下記の通り語っています。

「まずはこのような素晴らしい賞をいただきありがとうございます。我々は2022年から3年連続で受賞させていただいていますが、今後も自律的な発信を続けていければと思います。本日はありがとうございました。

受賞を振り返って

「開発者体験の良いイメージのある企業」として、メルカリ・Googleなどの名だたる企業の中で、シリーズAのログラスが3年連続で受賞できたことはとても素晴らしく、社内でも喜びの声が上がりました。

ログラスではTech ValueであるUpdate Normalを起点として、”当たり前を常に疑い、より高い基準を目指していく”という文化があります。

顧客に対して本質的な価値の創出を行うこと、品質や開発生産性の向上にフォーカスすること、メンバーの学びを支援することなどは、開発者体験を大切に取り組んでおり、こういった点を評価いただけたと考えています。

一方、昨年より1つ順位を落としてしまったことや、新たにランクインした企業を見て、
「まだまだ開発者体験をアップデートしていきたい。そしてそれをもっと世の中に届けていきたい。」と気を引き締めています。

ログラスでは「世の中に届ける」という点にフォーカスし、2024年5月から「Product Team Branding」としてプロジェクトを立ち上げました。そして、プロダクトチーム全体のブランディング・発信活動の強化を目的に、下記のような活動に取り組んでいます。

X公式アカウント運用開始

・カンファレンスへの出展

prd-blog.loglass.co.jp

・オウンドメディア「Loglass Engineer Highlight」の連載再開

 note.com

・テックブログ「Loglass Techblog Sprint」の長期連載

zenn.dev

・外部メディアへの出演

 ttj.paiza.jp

こういった取り組みはすぐに大きな実を結ぶわけではありませんが、
7月に入社したメンバーがログラスを知ったきっかけが、今年3月に開催されたObject-Oriented Conference 2024におけるメンバーの登壇だったこと

youtu.be

ログラスに対するポジティブなリアクションをいただけることが増えたこと

一歩一歩ですが、着実に成長を感じています!
しかし、 CEOの布川からは高い目標を目指すようメッセージをもらっているので...(笑)

まずは私たちが開発者体験をUpdate Normalしつづけること、そしてその発信を積極的に続けていくことで、多くの方にログラスの魅力を伝え、来年はより高い順位で表彰いただけるよう、がんばります!

さいごに

現在ログラスでは全ポジション積極採用中です。

まずはカジュアルにお話しできればと思いますので、お気軽にご連絡いただけると幸いです!

job.loglass.jp

事例から紐解く技術カンファレンスでの戦略的ブースコミュニケーション設計

こんにちは。ログラスでProductHRをしている永井(@tomoka_nagai)です。

この記事では、技術カンファレンスでのスポンサーブースにおける戦略的コミュニケーション設計について、『開発生産性Conference 2024』『Platform Engineering Kaigi 2024』の2つのカンファレンスを事例に書いていきます。

記事にした背景

ログラスではProduct Team Brandingの一環としてカンファレンススポンサーに力を入れており、6から7月にかけて3つのカンファレンスでスポンサーブースを出展しました。

私はこのうち2つのカンファレンスで全体PMを担当しましたが、これまでブース出展の経験がなかったこともあり、最初はどんな戦略のもと、参加者に何を伝え、どんな成果を期待するのか、かなり手探りな状態でした。

そのような中でも他の運営メンバーと協力して準備を進め、戦略的なコミュニケーション設計に手応えを感じることができたので、同じように悩む人の参考になればと思い記事を書きます。

戦略的コミュニケーション設計とは?

ここでは戦略に基づいて、ブース企画・ノベルティ/配布物・SNS拡散などの一連のコミュニケーション設計をすることを「戦略的コミュニケーション設計」と呼んでいます。

これは今回PMをした私の反省点でもありますが、最初に「ブース出展の中身を詰めていくぞ!」となった時に、戦略をしっかり決めないままブースの企画検討を始めた結果、途中で「ターゲットと目的がブレて意思決定しづらい」という状況に陥ってしまいました。

その後、後述する戦略をしっかり決めた上で戦略に紐づいた各種コミュニケーション設計をした結果、運営メンバーの共通認識もつくりやすく、いろいろな意思決定もスムーズになり、戦略的コミュニケーション設計の重要性を学びました。

技術カンファレンスにおけるブース戦略とは?

ブース戦略としては以下の要素があると考えており、このフォーマットに沿って決めていきました。

  • 何を目的に
  • 誰に
  • 何を
  • どうする

※実際には成果を測るためのKPIも設定していましたが、この記事では割愛しています。

補足として、ログラスには今期の「エンジニア組織・採用戦略」として以下2つが掲げられています。

  1. 差別化戦略:本質的な複雑性に立ち向かうプロダクト開発
  2. 集中戦略:事業戦略に基づいたEnabling & Platformの体制強化

カンファレンススポンサーやメディア発信などのブランディング活動もこの戦略に沿って行っており、ブース戦略もここに紐づけて考えていました。
上記の戦略に関しては、VPoEの伊藤が執筆した以下の2記事に詳細が書かれています。

prd-blog.loglass.co.jp

prd-blog.loglass.co.jp

ここからは、『開発生産性Conference 2024』『Platform Engineering Kaigi 2024』2つのカンファレンスにおいて、具体的にどのような戦略のもと、ブース企画、SNS拡散、ノベルティ・配布物などのコミュニケーション設計をしたのかを事例として紹介していきます。

開発生産性Conference 2024

ブース戦略

開発生産性をテーマにしたカンファレンスということもあり、組織・採用戦略のうちの「差別化戦略:本質的な複雑性に立ち向かうプロダクト開発」に紐づけ、「本質的な複雑性(顧客価値)に立ち向かうための、ログラスの開発生産性向上の取り組み」にフォーカスすることにしました。

そして、開発生産性に関心のあるエンジニア・EMに対して、ログラスの具体的な取り組み事例をブースやSNS上のコミュニケーションを通して知ってもらうことをゴールとしました。

まとめると、以下になります。

  • 何を目的に:ログラスが本質的複雑性(顧客価値)に向き合うために、さまざまな開発生産性向上の取り組みをしているという認知を広めるために
  • 誰に:開発生産性に関心のあるエンジニア・EMに
  • 何を:ログラスが取り組んでいる開発生産性の具体的な事例を
  • どうする:ブースでの展示や会話、ノベルティSNSでの発信を通して知ってもらう

ブース企画

ブース企画は戦略に基づき、「ログラスの事例を知ってもらうにはどうしたらいいか」を軸に検討しました。
その結果、開発生産性を6つのカテゴリに分け、それぞれに該当するログラスの事例を貼り、かつ参加者にも関心のあるテーマを付箋に書いて貼ってもらうという企画にしました。

アンケートのタイトルは、組織戦略の「本質的な複雑性(顧客価値)に立ち向かうプロダクト開発」と、ログラスのTech Valueである「Update Normal」をかけて、「顧客価値に向き合うためにアップデートしたい開発生産性のテーマは?」としました。

ログラスの事例はロゴマークが入った青い付箋に書き、参加者付箋は黄色い付箋に書いてもらうことで同じボードに貼っても混在しないような工夫をしています。(想定以上に参加者の方に付箋を貼ってもらい、「Loglassの事例」の文字が見えなくなってしまったのはうれしい誤算であり反省点...!)

また、事例の詳細が書かれた記事が存在する場合は、事例の付箋に記事リンクのQRコードを貼り、ブースで気になった方がそこから詳細にすぐ飛べるような仕組みにしました。

参加型にしたことで多くの方の意見が集まり、ブースを通った方に「このボードの写真を撮ってもいいですか?」と言っていただくこともありました。
また、書いた付箋を貼ってもらう過程で自然とログラスの事例も目に触れるため、そこから事例に対して質問をもらい、会話が弾むきっかけにもなっていました。
そういう意味でも、ログラスの事例+参加者の声という形にして良かったなと思っています。

SNS拡散

1. ノベルティプレゼント条件をX上でのアンケートボードの写真投稿にする

ノベルティとして技術同人誌とキーキャップを用意していましたが、そのプレゼント条件を「アンケートボードの写真を添えたXへの投稿」としました。
これにより、ログラスの取り組み事例が載ったボードを見ることでブースに来ていない方にも間接的に知ってもらうことを目的にしました。
結果として当日100人近い方にボード写真をXに投稿していただき、来場されていない方の目に触れることもできたのではないかと思っています。

2. カンファレンス中の記事発信

カンファレンス中はX上でカンファレンスのハッシュタグを追っている方が多くいるため、ハッシュタグをつけた形でログラスの取り組み事例の記事を発信しました。

その結果、投稿した記事にX上でポジティブなコメントをいただくこともできました。

ノベルティ

今回のカンファレンスに合わせ、ログラス初の技術同人誌をノベルティとして制作しました。(制作の裏側はこちら
この技術同人誌は、テックブログ の記事をいくつかのカテゴリごとに抜粋して編集しており、この中に「技術的投資」「アジャイル開発」「チームビルディング」など、開発生産性と深く関わるテーマの記事が収められています。
この技術同人誌をノベルティとしてお配りすることで、ログラスの開発生産性の取り組み事例がより深く伝わるという設計にしました。

開発生産性Conferenceのまとめ

戦略とコミュニケーション設計をまとめると以下になります。

開発生産性Conferenceは、当初戦略を決めていなかったがゆえに途中で方向性が二転三転し、関わるメンバーには申し訳ないことをしてしまったという思いがありますが、途中で戦略をしっかり定めて仕切り直した後は、いろいろな物事がスムーズに決まるようになりました。
特に戦略を反映したアンケートボードを軸にしたコミュニケーション設計によって、目的を一定程度果たせたのではと思っています。

当日のブースの様子やSNSでの反響はカンファレンスレポートにまとめているので、ぜひご覧ください。

prd-blog.loglass.co.jp

Platform Engineering Kaigi 2024

ブース戦略

Platform Engineeringをテーマにしたカンファレンスということもあり、組織・採用戦略のうちの「集中戦略:事業戦略に基づいたEnabling & Platformの体制強化」にフォーカスすることをまず決めました。
そのうえで、「誰に」は想定参加者層も踏まえて「Enabling & Platform領域に関心があるSRE、クラウド基盤エンジニア、Webアプリケーションエンジニア」としました。

そしてカンファレンスの少し前のタイミングで上記の組織戦略の記事が公開されたことから、記事を広めることでログラスの「偶有的複雑性と向き合うためのEnabling & Platform戦略」についての認知を広めることをゴールとしました。

まとめると、以下になります。

  • 何を目的に:ログラスの「偶有的複雑性と向き合うためのEnabling & Platform戦略」についての認知を広めることを目的に
  • 誰に:Enabling & Platform領域に関心があるSRE、クラウド基盤エンジニア、Webアプリケーションエンジニアに
  • 何を:VPoE執筆の「ログラスのEnabling & Platform戦略」の記事の内容を
  • どうする:ブースでの会話や記事の閲覧を通して知ってもらう

ブース企画

ブース企画は戦略に基づいて、「ログラスのEnabling & Platform戦略」の記事の内容からテーマを抜粋したトークボードを用意しました。
当日ブースにはVPoEやSREなどのエンジニアメンバーが参加予定だったので、関心を持っていただいた方に直接、記事の内容をお伝えするきっかけにする意図がありました。
実際にトークテーマに沿って質問をしてくださった方に口頭でお話しすることができ、詳細は後述しますが、配布物であった記事カードや技術同人誌への導線にもなりました。

SNS拡散

1.事前の記事仕込み

「偶有的複雑性と向き合うためのEnabling & Platform戦略」に関する記事はVPoEの伊藤が書いたものがすでに存在していましたが、その続編としてエンジニアの龍島が「Enabling & Platform戦略の現在地とこれから」に関する記事をカンファレンス直前に公開してくれました。

prd-blog.loglass.co.jp

これによって上段の戦略の記事と、具体の現在地とこれからについての記事が揃い、よりログラスの現状と未来について伝えるための武器となりました。

2.ノベルティプレゼント条件を記事のリポストにする

開発生産性Conference同様にノベルティとして技術同人誌とキーキャップを用意していましたが、そのプレゼント条件を「公式Xアカウントのフォロー&記事紹介投稿のリポスト」としました。
これにより当日70名近い方にリポストしていただき、多くの方に記事を届けることができました。

3.カンファレンス中の記事発信

さらに拡散をブーストさせるために、カンファレンスのハッシュタグつきで公式Xアカウントからの記事紹介の投稿も実施しました。

配布物・ノベルティ

1. 記事の紹介カード

今回の戦略として広めたい記事を読んでもらうために、記事のQRコードを印刷したカードを用意し、ブースに来てくださった方にお配りしました。
また、トークボードのテーマをこの記事の内容にしていたこともあり、トークボードで興味を持ってくださった方に「詳細はこの記事に書いてあります」とスムーズに紹介する役割も果たしてくれました。

2. 技術同人誌

もともと開発生産性Conferenceに焦点を当てて制作した技術同人誌でしたが、この中にトークボードに記載していた「心穏やかにDBバージョンアップした方法とは?」の元記事が掲載されていたため、トークボードでこの事例に関心を持っていただいた方に、技術同人誌の該当記事を見せながらお話しをしました。

これは狙って用意したものではなかったのですが、トークボードのテーマと技術同人誌の記事の内容をリンクさせることがコミュニケーション上スムーズであるという学びを得られたので、今後のカンファレンスでも継続したいと考えています。

Platform Engineering Kaigiのまとめ

戦略とコミュニケーション設計をまとめると以下になります。

開発生産性Conferenceでの反省を踏まえ、最初からしっかりと戦略を決めて各種コミュニケーション設計を練ったため、余計な手戻りがなくスムーズに進めることができたと感じています。
「ログラスのEnabling & Platform戦略の記事を全力で拡散する!」と意気込んで臨んだカンファレンスでしたが、その目標は一定程度叶えられたのではと思っています。

当日のブースの様子やSNSでの反響はカンファレンスレポートにまとめているので、ぜひご覧ください。

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おまけ

2つのカンファレンスを通して学んだ、戦略的コミュニケーションの成果を最大化するためのオススメTipsをおまけとして紹介します。

それは、「カンファレンスレポートはカンファレンス中に仕上げること」です。

理由としては以下です。

  • カンファレンス中にレポートを書くことで、不足している写真などの素材にその場で気づき、集めることができる
  • X上でカンファレンスハッシュタグを見ている人が多いタイミングで公開することで、より多くの人にレポートを見てもらうことができる

私もカンファレンスレポートは当然のように後日書くものだと思っており、実際に1つ目のカンファレンスレポートを後日書いたところ、「あの写真撮っておけば良かった...!」と後悔した部分が多くありました。
そのため2つ目のカンファレンスではブース対応の合間を見てレポートを書くことで、「ここに載せる写真が足りないから今撮ろう」と、必要な素材をスムーズに集めることができました。

カンファレンス当日夕方に出したレビュー依頼

社内レビューを挟んでも、カンファレンス翌々日の朝には公開することができ、参加者の関心がHOTなうちに読んでもらうことができたのではと思います。
レポートのフォーマットを事前に決めておき、あとは当日の写真やブース・SNSでの反響を追加すればOKという状態にしておけると楽です。ぜひ試してみてください!

さいごに

ここまで2つのカンファレンスでの具体例を通して、技術カンファレンスでの戦略的ブースコミュニケーション設計について紹介してきました。
どちらのカンファレンスも事前に決めていたKPIを達成し、盛況のうちに終えることができましたが、ブース装飾やモニターの活用、トークの磨き込み、SNS上での盛り上げなど、まだまだ伸び代もたくさんあります。

これからも他社さんのブースや発信から学びつつ、今後のブース出展ではさらにUpdateした戦略的ブースコミュニケーション設計を目指せればと思っています。

そしてログラスでは、技術カンファレンスのスポンサーを含めたProduct Team Brandingや採用活動を一緒に取り組んでくれるProductHRを募集中です!
まずは情報交換ベースでも構いませんので、少しでも興味を持っていただけた方はお気軽にX(@tomoka_nagai)までDMお待ちしています✉️

「本質的複雑性」「偶有的複雑性」に向き合うためのログラス記事まとめ

この記事では、「本質的複雑性」と「偶有的複雑性」に向き合うことをテーマにした記事をまとめてお届けします。

「本質的複雑性」に向き合うための記事まとめ

経営の本質的課題に向き合い続けるログラスのプロダクト開発

prd-blog.loglass.co.jp

「本質的な価値を生み出す」ための取り組みシリーズ

note.com

cocoda.design

note.com

zenn.dev

スクラムの三本柱(透明性・検査・適応)」を高めるための取り組みシリーズ

zenn.dev

zenn.dev

zenn.dev

スクラムの成果を最大化」するための取り組みシリーズ

zenn.dev

zenn.dev

zenn.dev

「偶有的複雑性」に向き合うための記事まとめ

偶有的複雑性と向き合うためのログラスのEnabling & Platform戦略

prd-blog.loglass.co.jpprd-blog.loglass.co.jp

偶有的複雑性と向き合うための「基盤を更新し続ける」シリーズ

zenn.devzenn.devzenn.dev
zenn.dev

偶有的複雑性と向き合うための「型の堅牢性」にまつわるシリーズ

zenn.devzenn.devzenn.dev
zenn.dev

「ツリー構造と集計」にまつわる偶有的複雑性シリーズ

zenn.devzenn.dev

偶有的複雑性に向き合うための「テスト」シリーズ

zenn.devzenn.devzenn.devzenn.dev

さいごに

今後もログラスでは「本質的複雑性」「偶有的複雑性」に向き合うことをテーマにした記事を発信予定です。
ぜひテックブログ、はてなブログのフォローをお願いします!

zenn.dev

prd-blog.loglass.co.jp

 

 

ログラス初の技術同人誌「Loglass Tech Blog Sprint Review 2024」制作の裏側を公開します!

はじめに

こんにちは!「Loglass Tech Blog Sprint Review 2024」編集長の粟田(@wooootack)です!

今日は、先日無事に完成した、Loglass初の技術同人誌「Loglass Tech Blog Sprint Review 2024」の制作の裏側を公開します!

「なんか凄そうに言ってるけど、薄い本なんでしょ〜?」と思った方もいるかもしれませんが、こちらなんと200ページ近くのボリュームがあります!

この記事では、「どんな風にしてこの技術同人誌を完成させたのか」「エンジニアならではの制作時の工夫」「シンプルに苦労した話」など、包み隠さず書いていこうと思います。

ぜひ最後までお楽しみください!

なぜ同人誌を作ることになったのか

はじめに、なぜ「Loglass Tech Blog Sprint Review 2024」を制作することになったのか、その経緯をお話しします。

弊社はさまざまなカンファレンスやイベントのスポンサーをしており、ブースを出展させていただくことが多くありました。

これまでも、そこでステッカーやポストカードなどのノベルティを配布していたのですが、よりエンジニアに刺さるような何か新しいノベルティを作ることができないかと企画していました。

そこで社内で有志のエンジニアを募って作戦会議をした結果、「遊び心がある」「オリジナリティがある」「ログラスらしさが伝わる」といった理由から、技術同人誌を作ることになりました。

そしてなんと、制作が決まった時点で入稿まであと1ヶ月程度しかない!という状態で短納期ではありましたが、無事にKotlin Fest 2024開発生産性カンファレンス2024Platform Engineering Kaigi 2024といった、3つのカンファレンスで配布することができました!

Loglass Tech Blog Sprint Review 2024のコンセプト

「Loglass Tech Blog Sprint Review 2024」は、これまでに「Loglass Tech Blog Sprint」という取り組みで投稿された記事の中から、厳選された20記事を収録した技術同人誌です。

zenn.dev

今回はピックという形なので掲載される記事とされない記事がありますが、そこに優劣はないということだけは最初に改めてお伝えしておきます!

「Loglass Tech Blog Sprint」で投稿された記事は、さまざまなジャンルのものがあって、どれも素晴らしい記事ばかりです。

また、この「Loglass Tech Blog Sprint」という取り組み自体をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いも込められています。

そしてピックした記事を「設計」「技術的投資」「品質」「アジャイル開発」「チームビルディング」と5つのカテゴリに分類して掲載することにしました。

このカテゴリに自分たちがこれまで大事にしてきたことやログラスらしさの一部分が表れたのかなと感じています。

また、このカテゴリにない項目にも大事にしてきたことやログラスらしさは隠れていて、それについても今後は積極的に発信していきたいなと思いました。(具体的にどういうところなのかは後述します)

記事の最後に掲載されている記事のリンクをまとめておきますので、興味のある記事があればぜひご覧ください!

技術同人誌のおおまかな流れ

おおまかなタスク一覧をまとめてみました。

  • コンセプトの決定
  • 掲載記事の選定
  • リポジトリや執筆環境の整備
  • タイトルの決定
  • 製本会社の選定
  • 記事の加筆修正
  • 本の構成作成
  • 表紙作成
  • 免責事項の執筆
  • まえがきの執筆
  • あとがきの執筆
  • 目次作成
  • ブログ記事から物理本にするために微調整
  • 法務、広報チェック
  • 製本会社に見積もり依頼
  • 製本会社に支払い
  • 製本会社に入稿
  • 納品後のチェック

改めて羅列すると、大量のタスクをこなしたんだなとしみじみ感じますね。

今回は、特にこだわった作業と苦労した作業をピックアップして詳しく書いていこうと思います!

リポジトリや執筆環境の整備

まずはどんな風に進めていくかを考えたのですが、今回はzennに書いてある記事をベースに本を作ることや、エンジニアが主導で進めることを考えて、以下のような構成にしました。

主に使用した拡張機能は以下の3つです。

最初のMarkdown PDFがあればMarkdownをPDFに変換できますが、自分はMarkdownのプレビューや目次の自動作成・HTMLのプレビューなども欲しいなと思って、他の2つも同時に使っていました。

また、extensions.jsonにこれらの拡張機能を記述して、他の人が環境を整えやすいようにしていました。(こういう細かい気遣い、大事ですよね)

{
  "recommendations": [
    "yzane.markdown-pdf",
    "yzhang.markdown-all-in-one",
    "koppt.vscode-view-in-browser"
  ]
}

Markdown PDFの使い方については良い記事がたくさんあり、自分も参考にさせてもらったので特に良かったものをいくつか紹介しておきます。 qiita.com qiita.com mseeeen.msen.jp

ブログ記事から物理本にするために微調整

次に実際に物理本に仕上げていくために行った作業を紹介します。

ここの作業が思ったよりも大変だったので、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。

ざっとやったことをまとめると以下の通りです。

  • 見出しレベルの統一
  • 目次の作成
  • 改ページの調整
  • リンクの見せ方変更
  • zenn特有の記法の修正
  • フォントや色の調整

ここでも特に苦労した作業をピックアップして詳しく書いていこうと思います。

そしてぜひいろんな苦労があったんだなと感じながら、改めて技術同人誌を読んでもらえるとうれしいです。

リンクの見せ方変更

これは物理本ならではの苦労かもしれません。

これまではWebサイトで記事を公開していたので、リンクは何も気にしなくてもある程度いい感じに表示されていましたが、物理本だとそうはいきません。

特にテキストをリンクにしてある場合は、そのまま物理本にしてしまうとリンクが失われてしまいますし、色も黒になってしまうのでただの文字列のように見えてしまいます。

他の商業誌や同人誌を参考にしつつ以下のような方法を考えました。

  • 各ページのフッターにリンク先を載せる
  • 巻末にリンク一覧を載せる
  • Notionでリンク一覧ページを作成して、そこにアクセスするためのQRコードを載せる

ただ、今回はやり切る時間が取れず、テキストの後ろに括弧書きでURLを記載することにしました。

具体的にはこのような形になっています。 実際のPDFのスクリーンショット

ここは今回やりきれなかったという後悔が残ってしまっている部分なので、次はもっと読みやすくリンクにアクセスしやすい方法でやりたいなと思っています。

zenn特有の記法の修正

※「Loglass Tech Blog Sprint」の記事はほとんどがzennで書かれたものだったので、この特殊な作業が発生しました。

これも当たり前なんですが、Markdown PDFでPDFに変換する際に、zennの独自記法はうまく変換されません。

例えば、以下のような記法がそのままだと変換されないことがありました。

zenn特有の記法は公式から記事が出ているので、そちらを参考にしつつHTMLを直接書くように修正したり、別の対応している記法に変換したりしていました。

zenn.dev

今回はそこまで数が多くなかったのでなんとかなりましたが、数が増えてくると大変そうだなと感じると同時に、zennの表現力は凄いなと感心しました。

フォントや色の調整

これも当初あまり深く考えていなかったのですが、実際に物理本にすることを考えると、細かくフォントを考える必要がありました。

例えば以下の部分は全て異なるフォントを使っており、この辺りにもしっかりこだわって作りました。

  • 見出し
  • 本文
  • ヘッダー、フッター
  • 目次

フォントや色に関しては、ほとんどがうまくいったなと感じているのですが、1箇所だけ失敗した部分があるので懺悔させてください。

それが以下のようなコードブロックの部分です。 PDFのスクリーンショット

PDFをPC上で見る分には、そこまで違和感がないかもしれませんが、実際に物理本にすると思ったよりも見にくくなってしまいました。

このあたりは、デザイナーにレビューしてもらう時間を取れずにPDFで見て大丈夫そうだなと進めてしまったので、これは次回に活かしたい反省点です。

製本会社に見積もり依頼

よーし、いい感じのPDFができてきたぞ〜!ということで製本会社に見積もりを出そうとしていると、どうやら見積もりに当たって紙質や製本方法を選定する必要があるということに気づきました。

後から思い返せば当たり前なんですが、完全に忘れており完全に後手に回ってしまいました。

今回は日光企画さんに製本を依頼したのですが、注文フォームで入力するべき紙質や製本方法が分からず途方に暮れていました。

そんな時に、弊社のデザイナーが救いの手を差し伸べてくれました。

おかげで値段は抑えつつも安っぽくならず、しっかりとした本に仕上げることができました。

平綴じ・中綴じ・無線綴じの違いなどの本に関する知識を得ることができるという副産物もあったので結果オーライかなと思っていますが、今後同人誌を作る予定があるエンジニアの方はこの辺りだけでも先に調べておくことをおすすめします!

感想

ここまでは経緯や進め方などを書いてきましたが、編集長としての個人的な感想もつらつらと書いていこうと思います。

まず、無事に完成させることができたこと、そしてカンファレンスで多くの方が手に取ってくれたことが何よりも嬉しかったです。

改めて、制作に関わってくれたメンバー全員に感謝を申し上げたいです。

製作開始から入稿までの期間も短く、割と短納期な依頼をすることもあったのですが、嫌な顔一つせずに協力してくれ本当に感謝しています。

せっかくなので、良かったところも簡単に思い返してみます。

今回、特に良かったなと思っているのは、GitHubで管理することでエンジニアなら誰でも参加しやすい次に繋がる作りにできたことです。

「Loglass Tech Blog Sprint Review 2024」というタイトルに2024が入っているということは……つまりそういうことかもしれません。

また、今回の技術同人誌はページ数の都合でいくつかの記事を泣く泣く掲載を見送る必要がありました。

その際に複数人で「ログラスっぽさが他よりも低い」という基準で相談して判断したのですが、そこで自分たちが思っていた「ログラスっぽさ」というものをアップデートしていく必要があることに気づく機会にもなりました。 VPoEからのフィードバックコメント

ポジティブな表現でありながらもとても大切なメッセージが込められていて、とても素敵な発信だなと思いました。

一方で、デザインや支払い周りの相談が遅れて後手に回ってしまったり、読者の感想を回収する仕組みを仕込ませるのを忘れたりと反省点も多くありました。

同人誌を作るぞ!という話が出てから、約半月程度はエンジニア2名だけで進めていたのですが、デザイナーやHRなど他部署のメンバーともっと早く連携を取っておけばよかったなというところは特に反省と感じています。

今回は初めての同人誌制作でいろいろとバタついてしまいましたが、次は今回の経験や資産を活用してより素早く高品質なものが作れるといいなと思っています。

おわりに

こうやって振り返ってみると、改めて作ってよかったなと感じました。

普通にエンジニアをやっているだけでは得られない経験もできましたし、何より達成感が半端じゃないです。

また、実際にカンファレンスでブースに立って直接お渡しできたり、ポジティブな反応を多く頂くことができたので、非常に嬉しかったです。

長くなりましたが、今回の記事はこのあたりで終わりにしようと思います!

技術書展とかに本を出してみたいなと思っている方など、もっと詳しく聞きたいことがあれば気軽にコメントやDMをお待ちしています!

それでは皆さま、次回作にもご期待ください!

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