本記事について
エンジニアの南部がスクラムフェス金沢に参加したレポートです。
セッション以外の内容も記載しています。
セッションについては印象に残ったものをピックアップして取り上げさせていただきます。
スクラムフェスとは
言わずとしれたアジャイルコミュニティの祭典。
主に以下の都市で開催されています。
スクラムフェス金沢は今回が初の開催でした。
2024/1/1に発生した能登半島地震の復興支援も兼ねて開催が決まったそうです。
今回ログラスではロゴスポンサーも実施しており、スポンサーチケットを利用して参加してきました。
個人的な目標
- セッションをしていただいた方とできるだけお話する
- 認知してもらうために、最近作ったXのアカウントを交換する
- フォロワー100人を目指す
1日目
11時半頃東京駅を出発し、14時半頃到着しました。
偶然、一緒に参加予定のログラスQA大平さんが隣の隣の席でした。
おもむろに現地でノベルティとしてお渡しする大平アクリルスタンドを渡されました。
そしてもちろん我らがQA大平さん(実物)も参加されます! #scrumkanazawa pic.twitter.com/T2QB02SYvr
— 南部/ログラス 🐳 (@go_dev5) 2024年7月19日
到着後、駅にお店がたくさんあり、せっかくなのでお寿司を食べました。
#旅する大平 (リアル)#scrumkanazawa pic.twitter.com/bTxfKBh7Vj
— Yoshiki Iida / ログラス (@ysk_118) 2024年7月19日
ホテルにチェックインを済ませ、オープニングに向かいます。
金沢駅から30分弱くらいで会場には到着。
運営の方が詳細なアクセスをまとめていたりしてくれていて、とても助かりました。
Keynote
こういったイベントが初めてだったのでそもそもKeynoteというものを知りませんでした。
日本語でいうと基調講演、スクラムフェス金沢のテーマやセッションの根底にあるメッセージを参加者に届けるものになります。
第一回の記念すべきスピーカーは、北國銀行執行役員システム部長兼、株式会社デジタルバリュー代表取締役の岩間さんでした。
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20228/it
短編小説のような形式でした。
もともとはアジャイルに関しては解像度が高くなく、「トレードオフスライダーで全てが優先度Maxと言っていた」というエピソードもありました。
印象的だったのは、そこからアジャイルという文化を銀行に広めるための動きです。
子会社として株式会社デジタルバリューを立ち上げ、その中でアジャイル文化を作り、それを銀行全体に広げていくような動きをされており、とても素晴らしいと感じました。
また、スクラムフェス金沢開催のトリガーの1つともなった1月1日の震災の後の動きの話などは生々しく、衝撃的でした。
震災が発生して10分後にはTeamsで対策が検討され、1月4日の営業開始を迎えたとのことでした。(もちろん、閉鎖の店舗もあったそうですが)
そういったアジリティの高い動きができる点にも感銘を受けました。
ネットワーキング
いわゆる懇親会です。
さまざまなイベントに参加されていて界隈では有名な方など、いろいろな人と話すことができました。
皆さん、スクラムを根底にしていながら、採用などいろんなことをやられていて刺激を受けました。
ログラスとしては、開発生産性カンファレンスでの弊社VPoEの登壇の影響もあり、直近でログラスが取り組んでいるFASTというスケーリングフレームワークへの取り組みを知ってくれている方もいらっしゃってありがたい限りでした。
2日目
Leanerこくぼさんのセッション
ログラスとフェーズも近く、勝手ながら親近感を感じるLeanerさんのセッション
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20242
スライドに関連して、登壇内容に関連する記載のある記事もありました。
役割というものを設けておらず、あくまで役割とは個人のスキルのグラデーションであるという考え方だそうです。
あくまで解くべき課題に注力するために全てがあり、わかりやすいからといって単純にフレームワークを当てはめるといったことはするべきではないという内容でした。
たしかに、スクラムなどのフレームワークは手段であるはずなのに、導入が目的化しがちだよなあと共感しました。
ログラス飯田のセッション
ログラスがスクラムの概念にはない「マネージャー」をなぜ置いていて、そのロールの中で何を重視して動いてきているのかが感じ取れる内容でした。
組織設計も1つの偶有的複雑性という考えには私も納得しました。
ログラスの考える偶有的複雑性に関してはこちらの記事に詳しく記載があります。
また、とある事情により私も短い時間ですがLTさせていただき、上述のFASTというフレームワークに挑戦している旨をお話させていただきました。
Leanerさんとログラスのアプローチの違い
それぞれの話を聞き、本質的に目指す先は共通点があり、どちらもプロダクトを通じて顧客の課題を解決しようとしていると感じました。
しかし、以下のような真逆のアプローチをしている点は興味深かったです。
- Leaner:役割を置かない
- ログラス:組織設計はマネージャーがリードする
こくぼさんとは少しお話しさせていただき、現状のフェーズだとそうなっているというお話だったので、今後の動きにも注目していきたいです。
DMM内藤さんのセッション
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/19975
自分が改善したいと思っている部分に刺さる内容でした。
1聞かれただけなのに、ついつい4,5くらい答えちゃったことありませんか? 私はあります。めっちゃあります。
この出だしで心をつかまれました。
内藤さんの話し方がすごく優しく、また発表内容を加味した発表になっていて説得力がありました。
内藤さんとも実際にお話しさせていただき、自分も相手の許容量を意識してコミュニケーションをしていこうと決意しました。
デジタルバリュー加藤さんのセッション
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20079
驚くほどの自己開示があるセッションでした。
加藤さんがスクラムマスターになってうまくいかずに伸び悩んでいた時期から、人文学を通して「善い人間」であることでそれを解決できるという考えを持って、同じ辛さを抱えている人の力になりたいという内容でした。
個人的には一番気持ちが乗ったセッションだと思っていて、心動かされました。
衝撃的な内容も含まれているのですが、それゆえに心動かされるものになっていますので気になる方はぜひチェックしてみてください。
SmartHR川村さんのセッション
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20039
お手本のようにスクラムを導入して改善した話でした。
なんとスクラムを導入してリリースは3倍になったとのことでした。
総当たり1on1や雑談時間を設けるなど、チームメンバーの関係性向上もされていたのが印象的でした。
また、イネーブリングチームにQAやデザイナーも所属しているということで、どのような運用がされているのか気になりました。(聞きそびれてしまった……)
私の前々職の同期が川村さんの知り合いであったり、ログラスで一緒に働いている方と川村さんの前職が一緒だったり、お話ししていて界隈の狭さを感じました。
OST
初めてオフラインでOSTを行いました。
慣れた方が初心者にも優しいテーマを出してくれたりした(自己紹介しましょうグループなど)ので、私も参加しやすくてありがたかったです。
テーマを設けて議論するという場は意外とないので、刺激的な経験になりました。
全体の感想
皆さんアジャイルの世界の人だけあって、変化に寛容な印象を受けました。
私のような初めての参加者も優しく受け入れてくれて大変ありがたかったです。
そしてセッション中も、Discordでコメントができて、ただ聞くだけではない状況なのが逆に話題に関心を持つ手助けとなっていました。
一方で、内容に一家言ある方も多く、強い主張をするのには勇気がいるような気もしました。
とはいえ、意見が食い違っていても、直接話してみると丁寧にいろいろと教えてくれたり議論してくれたりする方ばかりなので、オフラインで会話できる良さはこういう点だなとも感じました。
また、絶対にスクラムのことを話さなくてはいけないわけではない、というのは新たな気付きになりました。
アジャイルにまつわる話であればわりと何でも受け入れられていて、自分がプロポーザルを出す際のハードルが下がりました。
何より、住んでる世界は違えど、チームのアウトプット・生産性を最大化したいと真剣に考えている多くの仲間にめぐりあえて、お話しできる本当にいい機会でした。
アジャイル方面に興味がある方は確実に刺激を受けられる場だと感じました。
どこかで登壇するぞ!!!
余談:個人目標の達成度合い
岩間さんと加藤さんは時間の都合上ほとんどお話しできませんでしたが、多くの登壇者、参加者とお話しさせていただけました。
フォロワーはみなさんの協力もあり、100人いきました。ありがとうございました!