こんにちは。ログラスでVP of Engineeringとしてエンジニアリング組織全体のマネジメントをしております、いとひろ@itohiro73と申します。
ログラスの開発組織は比較的発信が活発なこともあり、採用で出会うエンジニア候補者の方々には「ログラスの開発組織はすでに色々整っているように感じます。自分が取り組むチャレンジはあるのでしょうか?」と聞かれることが多々あります。
ログラスでは、解決すべき課題や取り組むべきチャレンジは「山ほどあります」。むしろここから先のチャレンジの方が大きいです。この点をうまく伝えきれていないのは問題だと思い、ログラスでの挑戦の魅力を皆さんにお伝えするために、この記事を書くことにしました。
ログラスが取り組む大きな課題領域に対し、「銀の弾丸はない」シリーズとして、複数の記事に渡ってログラスのプロダクト開発の面白さと、多岐にわたるプロダクト開発・エンジニアリングのチャレンジをお伝えできればと考えています。
今回の記事では「本質的な課題と向き合い続ける」という観点で、ログラスの開発組織のこれまでとこれからについてお伝えできればと思います。
銀の弾丸はない - 本質に向き合い続けるログラスのプロダクト開発のプロセス
「銀の弾丸はない」というフレーズはよく聞くと思いますが、その初出は1986年の論文「No Silver Bullet -Essence and Accident in Software Engineering」です。この論文は「人月の神話」という書籍にも収録されていますので、興味がある方はぜひご覧ください。
この論文では、ソフトウェア開発は本質的に複雑であり、その本質と向き合うために以下の4つの観点が重要であると述べられています。この本質的な複雑さに対して、特効薬のような「銀の弾丸」は存在しないとされています。
ログラスのプロダクト開発組織が、これら4つの観点とどのように向き合い、「銀の弾丸はない」ことを理解しながら本質的な価値を創出してきたかをご紹介します。
ソフトウェア製品の大市場の利用
Loglassのコアドメインである経営管理領域に直結しない技術的複雑性の解決には、極力OSSのツールやフレームワーク、クラウドやSaaSプロダクトを活用しています。車輪の再発明を避け、既存の技術を適切に活用することは非常に重要です。
ログラスは創業以来、システムとして比較的シンプルなモノリシック構成を維持しています。活用できる技術を適材適所で使い、シンプルな構成を保つことは簡単ではありませんが、ログラスは非常に良い形でこれを実践しています。
要件の洗練と迅速プロトタイピング
「経営管理」という非常に複雑なドメインにおいて、ユーザーに本質的な価値を提供するための要件のディスカバリーが重要です。
ログラスでは、例えばVPoPが直接お客様のもとで業務を担当し、ペインや課題を肌で感じるといった取り組みを行い、深い顧客理解を得ています。
また、エンジニアが商談動画鑑賞会を開催し、顧客理解を進めていくような取り組みにも前のめりに取り組んでいます。
そして、このように顧客理解を経て得られた知見をもって、CSなどの社内のドメインエキスパートと共に様々なドメインモデリングも行ってきました。
このようにログラスでは本質的な価値に向き合うために要件の洗練やモデリングを丁寧に進めており、本質的な価値に向かう姿勢を常に大切にしてきています。
漸増的開発
ログラスでは、創業初期の頃からスクラム開発を取り入れており、有機的にソフトウェアを育てる取り組みをしてきました。
スクラム開発の利点は、短期間でのフィードバックサイクルを通じて、学びと適応をプロダクトの改善に活かしていくことができる点にあります。
ログラスでは創業初期の頃からカスタマーサクセスのメンバーが必ずスプリントレビューに参加するプロセスをとってきており、この学びのプロセスが強化されていると感じます。
このようなプロセスを経て、ユーザーにとって本当に価値のある機能を品質高く提供し続けられていると考えます。
偉大なデザイナー
ログラスではプロダクト開発におけるデザイナーもスクラムチームと非常に密に連携し、経営管理の業務理解を深めるためのリサーチに関しても非常に重要な役割を担っています。
スクラム開発のフィーチャーチームにつき一人デザイナーがついてくれることで、非常に機動力高く、お客様にとって最適なUXの設計と、UIの実装を開発プロセスの中で推し進めていくことができていると感じます。
ここまで述べてきたように、ログラスには「銀の弾丸はない」という現実と向き合い、ユーザーに価値を届けるためのプロダクト開発を愚直に推し進めていくための環境やカルチャー、土壌としては整っていると言えるかもしれません。
しかし、その向き合うべき本質的課題というものが非常に大きく多岐にわたるため、ここから先のログラスのプロダクト開発にはまだまだ大きなチャレンジが山ほど待ち構えています。
ログラスが向き合い続ける本質的課題の大きさと、これからのチャレンジ
ログラスは「良い景気を作ろう。」をミッションに、経営管理領域のプロダクト開発を行っています。
このミッション実現のためのプロダクトビジョンとして、「MAKE NEW DIRECTION」を掲げており、世の中の経営をテクノロジーの力でより良くしていくことで新しい方向性を作っていく。そんな熱い想いを糧に日々プロダクト開発に向かっています。
Loglassはこれまで経営管理業務、特に予実管理業務に潜むペインを解決してきました。
しかし、Loglassがこれまで解決してきた経営管理の課題領域は、「良い景気を作ろう。」という大きなミッションのほんの一部に過ぎません。
我々が本質的に実現すべきなのは、既存のペインを解消するための自動化や型化にとどまらず、新しい意思決定や現場の行動変容を引き起こし、経営を根本的により良くすることです。
経営を根本的に改善していく意思決定を促す情報システム、あるいは現場の行動変容を引き起こしていく影響システムとして、「人員計画」「IT投資計画」「サプライチェーンマネジメント計画」「生産計画」「販売計画」「財務計画」など、さまざまな領域でのDXが求められます。
我々は今後数年をかけて、経営の意思決定を本質的に変容していくための新たな機能・プロダクトを順次開発し、リリースしていきたいと考えています。
経営の進化を実現する第一歩として、今年は「AI分析アシスタント機能」や「Loglass人員計画」など、経営の意思決定をより拡張する機能をリリースしてきました。
今後も「Loglass経営管理」の機能領域を中心に据えつつ、経営を本質的に変革する新しいプロダクトや、意思決定を拡張する機能を開発していく必要があります。
今年リリースした「AIアシスタント機能」や「Loglass人員計画」は、まだまだ成長の余地が大きく、これらをブラッシュアップしていくことも、今後取り組むべき重要な課題です。
「良い景気を作ろう。」という大きなミッションを実現するためには、「銀の弾丸はない」という現実を受け入れ、本質的な価値の提供に愚直に向き合い続ける必要があります。
ログラスのプロダクト開発のこれからを支えるエンジニア大募集!!
ログラスでは、本質的な課題に向き合ってプロダクト開発に取り組む土壌が整っています。このような環境はスタート地点に過ぎず、解くべき課題に向き合い続けながら、高い壁を超えていくチャレンジは非常に難しく、同時に面白いものです。
私たちは、こうした本質的なチャレンジに向き合い、一緒に「良い景気を作ろう。」という大きなミッションに向かっていける仲間を求めています。
現在ログラスでは以下のポジションで積極採用中です!
本記事でログラスに興味を持っていただけた方はぜひお気軽にいとひろ@itohiro73 にメンションでもDMでもいいので話しかけてみてください。