スクラムフェス三河2024に登壇&現地参加しました!

こんにちは、ログラスのエンジニアの上田(@ueda1023)です。

今回は、9月13日・14日の2日間にわたって開催された、スクラムフェス三河2024年に登壇&現地参加したので、レポートを書きます。

経歴が元々デザイナーでデザインイベントによく登壇や参加をしていたのですが(今後もデザインイベントは参加したい!)、スクラムフェスやRSGTなど、スクラムアジャイル関連のイベントは初参加&初登壇でした。

一緒に現地参加したログラスQAの大平(@oo4ra)にオンボーディングしていただき、コミュニティに関わるたくさんの方々と交流やディスカッションをさせていただき、スクラムアジャイルとじっくり向き合う非常に有意義な時間を過ごすことができました。楽しかった!

スクラムフェス三河とは?

www.scrumfestmikawa.org

スクラムフェス三河とは、アジャイルコミュニティのイベントです。

エンジニア、デザイナー、QA、スクラムマスター、プロダクトオーナーなど、ロールに関係なくプロダクト開発に関わるすべての人々が交流し、学び合い、楽しむことをコンセプトに運営されています。

スクラムフェスは全国各地で開催されていますが、その中でも三河は製造業におけるプラクティスの聖地になっています。

実際に参加してみて、日本を代表する製造業界の会社で活躍されている方がたくさん参加されていたので、インターネット業界やスタートアップで働いているとほとんど接点のない方々と交流ができ、異文化交流のような感覚で非常に新鮮で刺激的でした。

余談ですが、愛知県は製造品出荷額で圧倒的にトップだそうです。イメージ通りではあるものの、こうやってグラフで見るとすごい!(しかも45年間ずっと1位らしい)

引用元:https://aichibrandleague.com/special/01.php

QAはコストセンターじゃないもん!QAの枠から飛び出し顧客価値提供にコミットした奮闘物語

confengine.com

今回は「QAはコストセンターじゃないもん!QAの枠から飛び出し顧客価値提供にコミットした奮闘物語」といったテーマで登壇しました。

当初はログラスで一緒に働いている1人目QAのコタツ@qa_kotatsu)とプロダクトマネージャーの宮本の共同登壇の予定だったのですが、2人とも諸事情で参加できなくなってしまい同じチームで働いていた私が代打で登壇&現地参加することになりました。スクラムフェスには一度は行ってみたいと思っていたので、良い機会をいただき感謝しています。

登壇の内容としては、1人目QAのコタツが当時の開発チームの状況を鑑みて、PdMを補佐する役割のサブPdMに名乗りをあげ、ドメイン理解の活動や担当領域の体験設計の取り組みを通して顧客価値を生み出した、物語形式の赤裸々な体験談になっています。

QAのキャリアやスキルアップにこだわるのではなく、顧客価値を生み出すためにQAの枠を飛び出し縦横無尽にバリューを発揮する姿勢に見習う点が多くあるなと思い、そういったポイントをお伝えできるようお話しさせていただきました。

登壇動画が後日YouTubeに公開されるとのことなので、公開されたらSNSでシェアする予定です。ご興味がある方はぜひXのアカウントをフォローしてお待ちください!

セッションの感想

登壇の順番が2日間のイベントの一番最後だったこともあり、登壇準備などですべてのセッションには参加できなかったのですが、印象に残ったセッションをいくつか紹介します。

製造業でのアジャイル、悩みと光

speakerdeck.com

オープニングセッションは、UMLモデリングツール astah*(アスター)の開発者として知られ、アジャイル開発のエバンジェリストとしても著名な平鍋さんのセッションで、製造業におけるアジャイル導入の難しさと可能性についてお話しいただきました。

製造業は複雑なサプライチェーンや部門間の連携が必要で、Webやアプリなどのソフトウェア開発と比べるとアジャイル導入は難しいと言えると思います。

一方で、現代は社会のニーズや環境の変化が激しく、unknown な市場や課題に対してアジリティ高くプロダクトを開発することが求められることは自動車のような大規模なプロダクトも例外ではないはずなので、どうすれば製造業にアジャイルを導入できるかの具体的な知見を共有いただきました。

印象的だったのは、アジャイル開発はスクラムなどのフレームワークを形式的に導入するのではなく、上ロジ(プロダクトのビジョンや価値)と下ロジ(スクラムのプラクティス)の観点を持った上で、戦略的・自然発生的に自分たちの文脈に沿った形を作った方が良いという話。

プロダクトオーナーを取り巻く上ロジと下ロジ

自動車の場合は最終製品市場とチームの距離が非常に遠く、上ロジが大変でプロダクトオーナーは多くの部門との調整が必要になるので、アジャイルスクラムをオリャッと形式的に導入するのは難しいとのこと。

そのような問題を解決するため、自動車のプロダクト開発を「フェーズ」「産業構造」「内外」「ドメイン」といった分解軸を用いていくつかの要素に分解した上で、各構成要素に対する「アジャイル適正」のフィルタリングを通して効果的な範囲を見極め、その点に重点的に導入するといったアプローチが有効になるとのことで、非常に興味深かったです。

自動車産業における上ロジと下ロジ

自動車産業特性の解説

ドメインの分解軸

アジャイル適正の解説

分解軸を用いてドメインの構成要素を分解し、アジャイル適正によってアジャイル開発の導入ターゲットをフィルタリングする一例

異なる業界の話ではあるので日々の開発に今すぐ何か活かせるわけではないかなと思います。

ただ、実践するハードルが高いからこそ、アジャイルスクラムの価値を科学して導入を試行錯誤する取り組みに非常にパワーや勇気をいただいたので、このセッションだけでも三河に足を運んだ価値がありました。

チームビルディングは”感性”で向き合おう

speakerdeck.com

こちらは製造業とは関係なく、サイバーエージェントでエンジニアリングマネージャーをされている吉田さんによる、チームビルディングにおける「感性」の重要性についてのセッションでした。

まず前提として、「現状の課題を正確に知るのは難しい」という話があります。

例えばチームの現状を把握しようとしても、言語化や数値化が難しかったり、思い込みによって見誤ってしまうことはよくあると思います。特に、目に見える情報は氷山の一角に過ぎず、実際にチームが抱えている課題や違和感は、その下に隠れていることが多いとのこと。

そのため、感性を働かせて、見えない部分まで洞察する力の重要性を強調されていました。

具体的には、

  • 感性を働かせてチームを観察し、違和感や課題を感じ取る
  • 直感だけで何かを決めつけて判断せず、対話やディスカッションを通じてファクトを確認する

といったアプローチで、感性を土台にしつつ、事実を裏付けて正確にチームの状況を把握する方法が紹介されました。

シンプルにも思えるのですが、とても実践的で有効ではないかと思いました。

課題を明らかにするのは意外と難しく、なんとなく違和感を持った時点でつい何か結論を決めつけがちになることがあるので、そういったときは本当に課題なのか疑ってかかり、対話やディスカッションの機会を設けてみようと思います。

その他にも面白そうなセッションが沢山あったので、気になる方は X で #scrummikawa と検索!

スクラム初学者こそ、スクラムフェスに

正直なところ、普段の私は自社のドメイン知識や技術的な探究を優先しがちで、アジャイルスクラムについて思いを馳せる機会を多くつくることはできていませんでした。

だからこそ、「スクラムフェスやRSGTに参加するなら、まずはアジャイルスクラムについてしっかり理解してからじゃないと…」と少し構えていた部分もありました。

しかし、実際にスクラムフェスに参加してみると、アジャイルスクラムが大好きな人たちに囲まれながら、2日間アジャイル漬けの時間を過ごすことができ、学びの多い経験になりました。しかも、イベント全体が初心者にもウェルカムな雰囲気に満ちていて、ただセッションを聞くだけでなく、コミュニティの中に自然と混ざり込み、リアルなトークを楽しむことができました。現地で仲良くしていただいた方々に改めて感謝です。

スクラム初学者こそ、スクラムフェスに!最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

Scrum Fest Mikawa 2024に社員が登壇します

Scrum Fest Mikawa 2024とは

 Scrum Fest Mikawa 2024アジャイル開発・スクラムの実践者やこれから実践しようとしている人たちが三河に集い、対話し、つながる、アジャイルコミュニティの祭典です。

登壇者の紹介

今回ログラスからは社員のQA小針(@qa_kotatsu)、PdM宮本(@oju8)、エンジニアの上田(@ueda1023)が登壇します。また、上田は現地から参加します。ぜひセッションに参加いただければと思います。

QAの枠から飛び出し顧客提供価値にコミットした奮闘物語

QAという職種の枠を飛び越えて、自ら行動を起こし、お客様に価値を届けるために奮闘したエピソードを話します。

PdM・デザイナーと共に、顧客の価値検証にコミットし、そしてどのようにお客様に価値を届けていったのか、その結果はどうだったのかなど、ありのままのリアルをお届けします!

Scrum Fest Mikawa 2024 - QAはコストセンターじゃないもん!QAの枠から飛び出し顧客価値提供にコミットした奮闘物語 | ConfEngine - Conference Platform

ぜひ、現地・オンラインで交流いただけましたら幸いです!

We Are Hiring!

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動的なチーミングと自律 MAX で組織をスケールさせるアジャイルフレームワーク FAST とは?

こんにちは。ログラスでエンジニアリングマネージャーをしている塩谷 @shioyang です。

ログラスのプロダクト開発組織では 2024 年の夏から新しい開発手法に挑戦しています。この挑戦の経緯については伊藤の発表資料をご覧ください。

speakerdeck.com

この記事では、ログラスのプロダクト開発組織で試しているアジャイルフレームワーク FAST を紹介します。

前半では FAST を理解するために重要な要素である動的なチーミングについて、後半では動的なチーミングを支え、メンバー間の流動性を生み出している自律性について説明します。

FAST のスケーリング手法

FAST は Fluid Adaptive Scaling Technology の略で、活動アイテムを中心に自己組織化する手法です。

Fluid Adaptive Scaling Technology (FAST) is a way for people to self-organise around work - that scales.

https://www.fastagile.io/

変化に対応するために、チームを固定せず活動アイテムに対して最適な体制を取ることで目的の達成を目指します。

活動アイテム中心

チームを固定する手法の例として LeSS があります。LeSS は固定した複数のチームが継続して働くことを前提とする手法です。各チームはスプリントごとにアイテムをプランニングして、固定されたタイムボックス内で開発を進めます。各チームでメンバー間の連携や熟練度を高めて、生産性の向上を図ることを目的としています。

対照的に、FAST では必要に応じてメンバーが自由に集まり動的にチームを編成します。コレクティブと呼ばれる活動に必要な人全員を集めた集団の中で、メンバーは活動アイテムに対して自律的に最適な体制を組み、課題解決や価値提供を行います。スプリントのような固定されたタイムボックスの設定はしないですが、リズムをつけるために FAST ミーティングと呼ばれるミーティングを短い周期で開催してチーム間の協力やアイデアの交換を行います。常に学びと変化に対してチーム編成から対応できる仕組みです。

アイテムとチームの関係

アイテムとチームの関係

このように、固定チームによる安定した成果を追求する LeSS とは対照的に、FAST はより流動的で変化に迅速に対応できる体制を目指したフレームワークです。

OST に基づく流動性

FAST では、活動アイテムの選択や動的なチーミング、そしてチーム間での行動は、OST: Open Space Technology の考え方を基盤としています。

FAST ミーティングの後半で、バリューサイクルで取り組む活動アイテムを決定します。バリューサイクルとは、1 回の FAST ミーティングから次の FAST ミーティングまでの期間を指します。この際、メンバーが自発的に立候補し、活動アイテムを提案します。立候補したメンバーはチームスチュワードと呼ばれます。このプロセスは OST におけるテーマ出しに似ています。

その後、提案された活動アイテムに対して、各メンバーがもっとも貢献できる活動アイテムを自ら選び、チームが形成されます。

チームに分かれた後も OST の原則が適用されます。各メンバーはハチやチョウのように動くことも可能です。自分が必要だと感じたタイミングで、活動アイテム間、つまりチーム間を移動できます。

この流動性により、各メンバーは最適な貢献をしつつ、柔軟に役割を果たすことができます。

流動性を支える自律 MAX

このように、FAST は OST の考え方に基づきメンバーの流動性を生み出しています。この流動性を最大限に活かすために、メンバーには高度な自律性が求められます。

自律性が求められる場面

例えば、メンバーが最も貢献できる活動アイテムを選ぶ際には、活動アイテムの内容や進捗状況、自分の知識やスキル、チームの人数と構成などを総合的に考慮して判断します。また、場合によっては、自分がまだあまり関わったことのない活動アイテムを選び、コレクティブ内で新しい知識やスキルを学び広げることが、コレクティブ全体にとって最も大きな貢献になると判断することもあるでしょう。

変化に適応しながら最適な活動アイテムとチーム編成を維持するためには、個々の高い自律性が不可欠です。

社内では「自律 MAX」という言葉が生まれ、より高度な自律の意識を浸透させるために使われています!

Slack でのコメントとカスタム絵文字

Slack でのコメントとカスタム絵文字

自律性を活かす超軽量フレームワーク

自律性が求められるのは活動の中だけではありません。FAST は自律性を最大限に活かすために設計された超軽量なフレームワークです。具体的なプロセスや手順が厳密に定められておらず、メンバーの自律性に委ねられています。各メンバーはさまざまな場面で自律性を発揮し、チーム全体で仕組みを作り上げ、改善していく余地が豊富にあります。

まとめ

FAST は自律性を最大限に活用しメンバーの流動性を高める超軽量フレームワークであり、ログラスのプロダクト開発組織ではその可能性を試しています。固定されたチーム編成ではなく活動アイテムごとに最適なチームを動的に形成することで、変化に迅速に対応できる体制を整えようとしています。

FAST では各メンバーが自発的に活動アイテムを選択し最適なチームを作り上げていくため、メンバーひとりひとりに高い自律性が求められます。OST の原則に基づき、メンバーは必要な時にチーム間を移動しながら、プロダクト全体の成功に貢献することができます。

「自律 MAX」という言葉が象徴するように、ログラスではこの高度な自律性を意識し、さらなる成長と変革を目指しています。FAST によって、個々のメンバーが最大限の自由と責任を持ちながら、プロダクト全体の成功に貢献できる環境を作ろうとしています。これからの挑戦を通じて、より柔軟で適応力のある開発組織を実現していきます。

AWS Startup Multicountry GenAI GameDay に参加しました!

こんにちは。ログラスのエンジニアの鈴木(@sunazukin_it)です。
この記事は8/26(月)に開催された AWS Startup Multicountry GenAI GameDay の参加レポートです!

AWS GameDay とは?

まずはAWS GameDayの紹介です。公式HPからの引用です。

AWS GameDay は、チームベースの環境で、AWS ソリューションを利用して現実世界の技術的問題を解決することを参加者に課題として提示する、ゲーム化された学習イベントです。従来のワークショップとは異なり、GameDay は自由で緩やかな形式で、参加者は固定概念にとらわれずに探索し、考えることができます。

すごく簡単にまとめると、チームで与えられたお題を解いていくイベントです。解いた結果に応じて付与されるポイントでランキングされるというゲーム要素も含んでいます。

当日の様子

日本・韓国・インドの3ヶ国をWeb会議で中継しながら同時開催され、全部で26チーム(約100名)の規模でした。日本チームはAWSの目黒オフィスに集まり、ログラスからは粟田・福土・鈴木の3名で参加しました。

ゲストカードが写ってしまっていたので、一部黒塗りしています

イベント内容は公開禁止のため詳細には書けないのですが、「AWS Startup Multicountry GenAI Game Day」というイベント名の通り、生成AIサービスをフルに活用するものでした。

最終的には26チーム中22位という「But We Go」な結果でした。悔しい!
※「But We Go」はログラスが掲げるバリューの1つです。詳細はこちらの資料をご覧ください!

参加した感想

以下、参加した感想です!

  • 業務では触れることが少ないサービスを実際に利用するよい機会になりました
  • シナリオに沿ってお題を解いていくことで、サービス単体の機能だけでなく、実際の活用イメージが湧きました
  • 時間制限がある状況でチームでワイワイしながら取り組むことで、知識の共有やチームビルディングにつながりました
  • 気になったサービスのWorkshopに取り組むと、さらに理解が深まりました

workshops.aws aws-samples.github.io

おわりに

AWS GameDay はチームでワイワイしながら楽しく競って、AWSのサービスについて学べる素敵なイベントでした。また参加できる機会を見つけて、リベンジしたいと思います!

スクラムフェス仙台2024に現地参加しました!

みなさまこんにちは、ログラスのエンジニアのあわた(@wooootack)です。 今日は、8月23日・24日の2日間に渡って開催された、スクラムフェス仙台に現地参加したのでレポートを書きます!

www.scrumfestsendai.org

弊社はシルバースポンサーで協賛させていただいたため、スポンサーチケットを使って参加しました。自分は開発生産性カンファレンスなどは参加したことがあるのですが、スクラムフェスやRSGTは参加したことがなく、今回が初参加でした。後ほど詳しく書きますが、新しい人にもウェルカムな雰囲気でとても楽しかったですし、学びもたくさん得られて非常に大満足な2日間でした!

ちなみに、自分以外にも現地には社員からEMの千田(@hc0208)と、アジャイルコーチとしてサポートしていただいている今井さん(@bonotake)も参加していました。

prd-blog.loglass.co.jp

セッションの振り返り

いくつか特に印象に残っているセッションについて振り返っていきます。セッションの一覧は以下から確認できます。

Scrum Fest Sendai 2024 - Program Schedule | ConfEngine - Conference Platform

ちなみに、当初自分はセッションを聞くことメインで考えていたのですが、初日のネットワーキングで「せっかく現地にいるならワークショップ出たほうがお得じゃない!?」みたいな会話をして「確かに!ワークショップ出よう!」ということで、ワークショップとセッション半々くらいで参加しました。

すべてはおもちゃから始まる(Keynote

めちゃめちゃ心に響いたセッションでした。すごく雑にまとめると、「特務機関NERV防災アプリがどのように作られた」のかという内容についてお話いただいたのですが、本当に映画のようなストーリーで、めちゃめちゃ引き込まれました。

nerv.app

自分が特に印象に残っている部分を2つほど紹介します。

事業の意義にとんでもなく真摯に向き合い、自分ごとにできている

自分も顧客を理解するとか、プロダクトが解決したい課題を理解するとか、ドメインに対する解像度を上げるためにさまざまな取り組みをしてきたつもりでしたが、ここまで真摯に向き合えているだろうか?と感じました。ただこれは過去に経験したことなども関係するため、全員が同じようになることは難しいという現実もあると思います。

それでも、さまざまな壁にぶつかった際に、泥臭いことであってもなんでも真っ向から乗り越えていくその強さの根本はここにあるんだろうなと感じました。

圧倒的な技術力を持ったミッション中心のプロフェッショナルなチームを作っている

「ミッション中心主義だから、細かい管理も不要だし、良質なコミュニケーションもないけど、常にプロダクトのことを考えて、やるべきことをやる」というようなことを話していて、ここまで自律的な組織になれるんだ...と驚きとともに憧れを持ちました。自分もこんなかっこいいエンジニアになりたいなと、やる気の湧いてくるとても良い講演でした。

人様の記事を引用する形で恐縮なのですが、いつもながらすてきなまとめ記事があるので発表の詳細内容はこちらも合わせてご参照ください。

aki-m.hatenadiary.com

スタートアップにおけるプロダクト志向なエンジニア組織作り

speakerdeck.com

プロダクト思考なエンジニア組織になるためにやったことをかなり具体的にお話していただきました。さまざまな取り組みが紹介されていた中で、自分が特にこれは良いな、まねしたいなと思ったものを抜粋して紹介します。

スキルマップでチームの弱点を特定

ここで自分が良いなと感じたのは、単純な技術力のスキルマップではなく、ドメイン理解まで含めたスキルマップを作るということです。技術力があってもドメイン知識がなければ良いプロダクトは作れないということを考えれば、当たり前なことなんですが、完全に自分は見落としていたところだったので、これはぜひまねしたいなと思いました。

チーム間の取り決め的なやり取りが多く発生する部分は仮想チームを作って対応

複数のマイクロサービスが動いている環境だからこそ、こういう問題が多く発生するという背景はありそうですが、ここでクイックに仮想チームを作って活動できる柔軟性はとても良いなと感じました。ただ仮想チームを作るだけでなく、合宿のような取り組みをやっているというところもすてきだなと感じました。

実践 vs 理論:叩き上げのスクラムマスターが実践した手法を研究者が学術的に分析する!

speakerdeck.com

タイトルは「実践 vs 理論」となってますが、個人的には実践で得られた経験や学びを理論でさらに深ぼることでより学びが深まるという「実践 × 理論」の大切さを学ぶことができました。特にこのセッションではさまざまなリーダーシップの形について語られていて、自分は「レッセフェール型」というスタイルを初めて聞きました。また、このようにいろいろなやり方をチームに対して提案して、それをチームが実行している状況になっていること自体がまずすごいことだし、丁寧にチームを作ってきたからこそできているんだろうなとも感じました。このセッションを聞いて、細かいやり方を考える前に、まずは「心理的安全性」と「信頼関係」を作っていくことが何より大切なことなんだろうなと思いました。

チームが自己組織化してから敢えて専任スクラムマスターを置いてみたらめちゃめちゃワークした話

speakerdeck.com

はい、こちらは弊社のセッションになります。笑

自分もちょうどこのチームに所属しており、改善が進んでいくところを目の当たりにしていました。凄く良いチームだと褒められているのでやや小っ恥ずかしい気持ちもありますが、当時の状況がありのまま書かれていて懐かしい気持ちになりました。みなさまぜひお読みください。

それでは肯定的意図を始めよう 〜気軽に、慎重に、日常的に〜 ワークショップ版 beginner編

confengine.com

こちらはワークショップでした!タイトルからだと、どういう内容なのか分かりにくいかもしれませんが、仕事だけでなくプライベートでも使える心を落ち着かせることができる考え方を学ぶことができたなと思っています。

ワークの詳細は割愛するのですが「行動の裏には必ずポジティブな意図が存在している」という考えをベースにより本質的な課題解決につなげていくことができるというものでした。例えば、一緒に働いている人の行動がコンフリクトしていたとしても、実は裏にある意図は同じであるかもしれません。だとしたら、そこで衝突している理由はなく簡単に協力し合える関係になれるかもしれません。

以下のような考え方がワークショップの中で紹介されており、自分はあまり学んだことのない領域だったので、かなり興味を持ちました。

souken.shikigaku.jp ushikubou.com

セッションやワークショップ以外で良かったこと

情報保障の取り組み

お恥ずかしながら自分はそもそも情報保障という言葉の意味を正確に把握できていなかったのですが、情報保障とは障害のある方が情報を入手するために必要なサポートを行うことです。そしてスクラムフェス仙台では、UDトークというアプリを使ったり手話通訳の方がいらっしゃったりと、本当に誰でも参加しやすい環境が用意されているなと感じました。UDトークの同時翻訳を少し見ていたのですが、ほぼリアルタイムに翻訳されていて感動しました。

info.roisinc.net

初参加やソロ参加などにも優しい雰囲気づくり

当然単純に参加している皆さんの人柄が良いという話もあるんですが、それだけではなくネットワーキングの場では初参加やソロ参加の方を中心にまず会話をするようなアナウンスがあったり、ランダムなメンバーでグループを作ってランチを食べに行くという取り組みがあったりと、かなり参加しやすい雰囲気を感じました。今回は自分が入れてもらう側の立場でしたが、この先、逆の立場になったら、一緒にワイワイできる雰囲気を作っていきたいなと思いました。

開店時間に行ったのになぜか既に待ちになっていたり、ご飯を半分にしなかったことを後悔するボリュームだったり、食べている途中に突然大雨が降ってきたり、現金のみなのに現金を持っていなかったり(そして実は財布を家に忘れていることに気づく)と、非常に愉快なランチを食べることができました。紆余曲折ありましたが、牛タンは美味しかったです。

コーチズクリニック

なんと希望すれば参加している有名なアジャイルコーチ・スクラムマスターの方にコーチングを受ける機会を設けていただきました。自分もFASTアジャイルにチャレンジしていく中で、組織としてどうなっていくべきかや個人としてどのように動くべきかなどを相談させていただきました。30分一本勝負だったのですが、いくつか改善のためのキーワードを見つけ出すことができ、とても貴重な時間になりました。

まとめ

初のスクラムフェス、めちゃめちゃ楽しめました!他の参加者の方も温かかったですし、何より学びがめちゃくちゃ多かったです。弊社の名前やFASTにチャレンジしていることを知ってくれている方もいて、かなり話も盛り上がりました。FASTの話はまたどこかで必ず発信があるかと思いますので、気長にお待ち頂ければと思います!次はスクフェス神奈川に遊びに行くつもりなので、お会いした際はよろしくお願いします!

...いつか自分も登壇するぞ!!!

仙台駅でお迎えしてくれた久保史緒里ちゃんを添えて

Scrum Fest Sendai 2024に協賛および社員が登壇します

Scrum Fest Sendai 2024とは

Scrum Fest Sendai 2024 はアジャイル開発・スクラムの実践者やこれから実践しようとしている人たちが仙台に集い、対話し、つながる、アジャイルコミュニティの祭典です。

ロゴスポンサーについて

ログラスでは創業時の2020年頃からスクラムを開始し、日々進化するプロダクト開発において、コミュニティの知見に助けられながらここまでやってくることができました。

スタートアップならではの実験的な取り組みや、そこから得られる学びなどを我々からも発信し、コミュニティへ還元していきたいと考え、ロゴスポンサーを継続的に実施しています。

直近ではプロダクトならびに組織拡大に伴い、FASTというスクラムではないスケーリングフレームワークの試行錯誤を開始しておりますが、スクラムの次に検討するスケーリングの一事例としてコミュニティでも積極的に情報発信、意見交換を行なっていきたいと考えています。

今回現地には、EM千田(@hc0208)、エンジニア粟田(@wooootack)が参加します。

登壇者の紹介

今回ログラスからは社員のEM千田(@hc0208)、PdM佐藤(@yusato___)が登壇します。またアジャイルコーチとして開発組織をサポートしていただいている今井さん(@bonotake)も一緒に登壇し、3名でセッションを行う予定です。 ぜひセッションに参加いただければと思います。

チームが自己組織化してから敢えて専任スクラムマスターを置いてみたらめちゃめちゃワークした話

自己組織化したチームに専任のスクラムマスターを置いてみたらどうなったのか?についてお話しいたします。

実際にスクラムマスターを置く前の開発の話や置いた後のチームの変化などチームの状況をなるべく詳細に話す予定で、ログラスの開発プロセスが気になるという方や専任スクラムマスターが現在いないスクラムチームで開発を行っている方など幅広い方に参考になる内容がお話しできると思っています。

Scrum Fest Sendai 2024 - チームが自己組織化してから敢えて専任スクラムマスターを置いてみたらめちゃめちゃワークした話 | ConfEngine - Conference Platform

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スクラムフェス金沢2024のスポンサー参加レポート

本記事について

エンジニアの南部スクラムフェス金沢に参加したレポートです。

セッション以外の内容も記載しています。

セッションについては印象に残ったものをピックアップして取り上げさせていただきます。

スクラムフェスとは

言わずとしれたアジャイルコミュニティの祭典。

主に以下の都市で開催されています。

スクラムフェス金沢は今回が初の開催でした。

2024/1/1に発生した能登半島地震の復興支援も兼ねて開催が決まったそうです。

今回ログラスではロゴスポンサーも実施しており、スポンサーチケットを利用して参加してきました。

個人的な目標

  • セッションをしていただいた方とできるだけお話する
  • 認知してもらうために、最近作ったXのアカウントを交換する
    • フォロワー100人を目指す

1日目

11時半頃東京駅を出発し、14時半頃到着しました。

偶然、一緒に参加予定のログラスQA大平さんが隣の隣の席でした。

おもむろに現地でノベルティとしてお渡しする大平アクリルスタンドを渡されました。

到着後、駅にお店がたくさんあり、せっかくなのでお寿司を食べました。

 

ホテルにチェックインを済ませ、オープニングに向かいます。

金沢駅から30分弱くらいで会場には到着。

運営の方が詳細なアクセスをまとめていたりしてくれていて、とても助かりました。

Keynote

こういったイベントが初めてだったのでそもそもKeynoteというものを知りませんでした。

日本語でいうと基調講演、スクラムフェス金沢のテーマやセッションの根底にあるメッセージを参加者に届けるものになります。

第一回の記念すべきスピーカーは、北國銀行執行役員システム部長兼、株式会社デジタルバリュー代表取締役の岩間さんでした。

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20228/it

短編小説のような形式でした。

もともとはアジャイルに関しては解像度が高くなく、「トレードオフスライダーで全てが優先度Maxと言っていた」というエピソードもありました。

印象的だったのは、そこからアジャイルという文化を銀行に広めるための動きです。

子会社として株式会社デジタルバリューを立ち上げ、その中でアジャイル文化を作り、それを銀行全体に広げていくような動きをされており、とても素晴らしいと感じました。

また、スクラムフェス金沢開催のトリガーの1つともなった1月1日の震災の後の動きの話などは生々しく、衝撃的でした。

震災が発生して10分後にはTeamsで対策が検討され、1月4日の営業開始を迎えたとのことでした。(もちろん、閉鎖の店舗もあったそうですが)

そういったアジリティの高い動きができる点にも感銘を受けました。

ネットワーキング

いわゆる懇親会です。

さまざまなイベントに参加されていて界隈では有名な方など、いろいろな人と話すことができました。

皆さん、スクラムを根底にしていながら、採用などいろんなことをやられていて刺激を受けました。

ログラスとしては、開発生産性カンファレンスでの弊社VPoEの登壇の影響もあり、直近でログラスが取り組んでいるFASTというスケーリングフレームワークへの取り組みを知ってくれている方もいらっしゃってありがたい限りでした。

2日目

Leanerこくぼさんのセッション

ログラスとフェーズも近く、勝手ながら親近感を感じるLeanerさんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20242

speakerdeck.com

スライドに関連して、登壇内容に関連する記載のある記事もありました。

 

役割というものを設けておらず、あくまで役割とは個人のスキルのグラデーションであるという考え方だそうです。

あくまで解くべき課題に注力するために全てがあり、わかりやすいからといって単純にフレームワークを当てはめるといったことはするべきではないという内容でした。

たしかに、スクラムなどのフレームワークは手段であるはずなのに、導入が目的化しがちだよなあと共感しました。

ログラス飯田のセッション

speakerdeck.com

 

ログラスがスクラムの概念にはない「マネージャー」をなぜ置いていて、そのロールの中で何を重視して動いてきているのかが感じ取れる内容でした。

組織設計も1つの偶有的複雑性という考えには私も納得しました。

ログラスの考える偶有的複雑性に関してはこちらの記事に詳しく記載があります。

 

また、とある事情により私も短い時間ですがLTさせていただき、上述のFASTというフレームワークに挑戦している旨をお話させていただきました。

Leanerさんとログラスのアプローチの違い

それぞれの話を聞き、本質的に目指す先は共通点があり、どちらもプロダクトを通じて顧客の課題を解決しようとしていると感じました。

しかし、以下のような真逆のアプローチをしている点は興味深かったです。

  • Leaner:役割を置かない
  • ログラス:組織設計はマネージャーがリードする

こくぼさんとは少しお話しさせていただき、現状のフェーズだとそうなっているというお話だったので、今後の動きにも注目していきたいです。

DMM内藤さんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/19975

speakerdeck.com

 

自分が改善したいと思っている部分に刺さる内容でした。

1聞かれただけなのに、ついつい4,5くらい答えちゃったことありませんか? 私はあります。めっちゃあります。

この出だしで心をつかまれました。

内藤さんの話し方がすごく優しく、また発表内容を加味した発表になっていて説得力がありました。

内藤さんとも実際にお話しさせていただき、自分も相手の許容量を意識してコミュニケーションをしていこうと決意しました。

デジタルバリュー加藤さんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20079

驚くほどの自己開示があるセッションでした。

加藤さんがスクラムマスターになってうまくいかずに伸び悩んでいた時期から、人文学を通して「善い人間」であることでそれを解決できるという考えを持って、同じ辛さを抱えている人の力になりたいという内容でした。

個人的には一番気持ちが乗ったセッションだと思っていて、心動かされました。

衝撃的な内容も含まれているのですが、それゆえに心動かされるものになっていますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

speakerdeck.com

SmartHR川村さんのセッション

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-kanazawa-2024/proposal/20039

お手本のようにスクラムを導入して改善した話でした。

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なんとスクラムを導入してリリースは3倍になったとのことでした。

総当たり1on1や雑談時間を設けるなど、チームメンバーの関係性向上もされていたのが印象的でした。

また、イネーブリングチームにQAやデザイナーも所属しているということで、どのような運用がされているのか気になりました。(聞きそびれてしまった……)

 

私の前々職の同期が川村さんの知り合いであったり、ログラスで一緒に働いている方と川村さんの前職が一緒だったり、お話ししていて界隈の狭さを感じました。

OST

初めてオフラインでOSTを行いました。

慣れた方が初心者にも優しいテーマを出してくれたりした(自己紹介しましょうグループなど)ので、私も参加しやすくてありがたかったです。

テーマを設けて議論するという場は意外とないので、刺激的な経験になりました。

全体の感想

皆さんアジャイルの世界の人だけあって、変化に寛容な印象を受けました。

私のような初めての参加者も優しく受け入れてくれて大変ありがたかったです。

そしてセッション中も、Discordでコメントができて、ただ聞くだけではない状況なのが逆に話題に関心を持つ手助けとなっていました。

一方で、内容に一家言ある方も多く、強い主張をするのには勇気がいるような気もしました。

とはいえ、意見が食い違っていても、直接話してみると丁寧にいろいろと教えてくれたり議論してくれたりする方ばかりなので、オフラインで会話できる良さはこういう点だなとも感じました。

 

また、絶対にスクラムのことを話さなくてはいけないわけではない、というのは新たな気付きになりました。

アジャイルにまつわる話であればわりと何でも受け入れられていて、自分がプロポーザルを出す際のハードルが下がりました。

 

何より、住んでる世界は違えど、チームのアウトプット・生産性を最大化したいと真剣に考えている多くの仲間にめぐりあえて、お話しできる本当にいい機会でした。

 

アジャイル方面に興味がある方は確実に刺激を受けられる場だと感じました。

 

どこかで登壇するぞ!!!

余談:個人目標の達成度合い

岩間さんと加藤さんは時間の都合上ほとんどお話しできませんでしたが、多くの登壇者、参加者とお話しさせていただけました。

フォロワーはみなさんの協力もあり、100人いきました。ありがとうございました!